ハイスクールミュージカル1〜3

ストーリーはご都合主義のティーン向けハッピー映画、という感想。
私はそういうものが好きなのですが、このシリーズはちょっと恋愛要素が多すぎたかな。トロイとガブリエラのイチャイチャシーンは正直くどかったです。ティーンの恋愛なので描写としてはそれでいいのかもしれないけど。

私はディズニー映画もミュージカル映画も好きなんですが、これは正直世間の評判ほど絶賛はできないです。
つまらないわけではないんですが、これより楽しいミュージカル映画は他にもたくさんあるなと。

個人的にガブリエラのキャラが好きになりきれなかったのが残念でした。

ガブリエラは優秀で優しい女の子。チアリーダーたちのような華やかなグループに属することは好まず目立つのが苦手…といった、いわゆる陰キャのような設定。
ですが一番最初のトロイとのデュエットから全く臆することなく歌い上げてしまうので「目立つのが苦手…？」といったキャラ崩壊を起こしてしまっているのがいきなり気になりました。
トロイとなら人目が気にならない、運命の人だ！という描写なのかもしれませんが…

また、シリーズ全編通してガブリエラは「基本的に受け身で、ままならないことからは逃げる」というイメージ。

もちろんトロイも悪いのですが(特に2)、ガブリエラは避けたり遠くへ行ったりして話し合いが困難な状況に持っていきがちなんですよね。引っ越しなんかは彼女の意思ではない面もありますが、どうしても卑怯だなと思ってしまいます。

3のガブリエラが一番苦手なんですが、みんなが拒否したミュージカルへの参加を焚き付けておきながら自分は途中離脱(しかも主役ポジを放り出して)、戻ってくると約束したプロムはドタキャン(2日前に相手がいなくなったトロイの立場は考えなかったのか？)、それでいながら結局は戻ってきてミュージカルに参加、一番いいところを掻っ攫う…本当にいい子か？

ガブリエラが途中離脱したことで先生はシナリオを書き換えたし、代役でヒロインを努めたシャーペイはトロイの代役で出てきたロケットマンのおかげで笑いもの。本来の自身の出番はティアラに奪われ、なんとか出演はしますがこちらも完全にネタ枠として終わります。
シャーペイには音楽院推薦の場であったのに。当然推薦から漏れ、地元の大学へ進学します。シャーペイもっと怒っていいと思う。

全体通してはコメディ色も強く明るいストーリーで、エヴァンス姉弟の曲なんか毎回とても楽しいものに仕上がっています。
ただメインカップルのトロイとガブリエラが、ダメ男×面倒くさい女という感じで素直に応援できませんでした…毎回イチャイチャして別れる詐欺してまたイチャイチャして、という。

友人のチャドとテイラーなんかはいい感じだったんですけどね。
普段は軽いチャドが改まってテイラーをプロムに誘うシーンは、気恥ずかしいチャドとちゃんと言葉にしてほしいテイラーのどちらにも共感できたうえで、腹を括ったチャドがかっこよかったです。

トロイとチャドの友人関係とか、2でライアンがシャーペイから離れてみんなの仲間になっていく過程なんかはとてもよかったので残念。
トロイ、女が絡むと駄目な男なのか…？

ライアンは1ではシャーペイの腰巾着だったのに(ライバルの実力を素直に認めるなど人間的にシャーペイよりできてる描写はあったけど)実は野球がうまかったり今までは敵対していた側に素直に溶け込める柔軟性があったり、3では特別に奨学金枠に食い込んだりでスーパーキャラに成長しましたね。

ケルシーは全編通してとても可愛い。
ただケルシーも地味子だったはずなのにいきなりクラスの中心側に馴染んでいて違和感がありました。
トロイがミュージカルで成功を収めたことで、クラスや学校全体がいわゆる陽キャと呼ばれる人たち以外の見方を変えたのかもしれませんが。

私は1が一番すきです。
ライアンが好きなんですがライアンが優遇されている2が一番苦手なのはトロイが一番ダメ男だったせいですかね。
シャーペイの描き方も他に比べて「憎めない」感が足りない気がします。最後に輪に加わってるのは「お前どの面下げて」感があったのでフォローが足りないというか。

1のラストのこのシーンはよかったですね。
ジークはお菓子作りの趣味を告白した時点で応援したいキャラだったので尚更。
続編でもちょいちょい絡んでくれていて嬉しかったです。