映画感想

ネタバレあるので注意

くまのプーさん 完全保存版

みんな大好きくまのプーさん。これをみるだけでもプーさんのハチミツ狂具合がわかる一本。

幼少期に家にあったくまのプーさんのVHSはこの作品ではなかったため個人的にはそんなに「これぞ元祖くまのプーさん!」というわけではないのですが、シリーズにおける各キャラクターの動きなんかはこの作品が基本になっているので(ティガーは特にわかりやすいですね)やっぱり第一作目なんだなぁという感じ。

この作品は一本の長い話ではなく、3編の話をまとめたオムニバスになっています。



▼プーさんとハチミツ

ハチミツを食べすぎたプーさんがラビットの家の玄関に詰まってしまう話。けっこう有名な話だし穴に詰まったプーさんの絵を見たことがある人も多いのでは。

プーさんはこの話からさっそく「ハチはハチミツを作るためにいる、ハチミツは僕のためにある」というジャイアンもびっくりなパワーワードを残しています。

最終的にプーさんは高い木の上にあるハチの巣穴に詰まってハチミツ食べ放題という楽園に辿り着くわけですが多分また詰まる。



▼プーさんとおおあらし

ディズニーランドのアトラクション「プーさんのハニーハント」でおなじみ「ズオウとヒイタチ」の登場回です。ティガーとプーさんの初対面回でもある。

嵐の夜にいきなり初対面の人(クマ)の家に飛び込み騒ぐだけ騒いで出ていった新入りティガーですが、ちゃっかりカンガやオウルと一緒にクリストファーロビンに保護されています。適応力がカンストしてる。

ズオウとヒイタチのパートはなかなかサイケな感じな上にけっこう長いのでヘタしたらトラウマになる子供もいそうです(プーさんの悪夢という設定なので演出としては成功?)

ディズニーのトラウマといえばダンボのピンクの象が有名ですが、昔のディズニーでは象にどんなイメージを持っていたんでしょうか。

ハチミツの壺に頭を突っ込んだまま犬神家のような状態で流されていくプーさんがシュールで好きです。



▼プーさんとティガー

飛び跳ねることが好きなティガーに日々迷惑をかけられているラビットがティガーを反省させたい話。

ラビットは作戦会議にプーさんとピグレットを呼びますがピグレットはともかくプーさんを呼ぶのは確実に人選ミスだと思うのですが…プーさんも圧倒的に迷惑をかけてる側だよ。

ティガーに迷惑をかけられているという意識がないプーさんは作戦会議に全く興味がなく爆睡している上、ラビットに意見を求められたときの反応が

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これです。煽りスキル高すぎる。
ここが100エーカーの森というラブアンドピースな場所じゃなかったら殴り合いになってるよ。

ラビットは再度説明を試みてどこから話せばいい?と聞きますが「綿毛の入ったところから」「どこ?」「わかんない、聞こえなかったからね」という完全敗北。泣いていい。

ちなみに霧の深い場所にティガーを置き去りにするというけっこうエグい作戦が実行されたのですがティガーでなくラビットが迷子になるし、その後なんやかんやでティガーはラビットにジャンプ禁止を言い渡されますが周囲に説得され即撤回という…ラビットが報われない。



エピローグではクリストファーロビンは学校へ行かなければならない、ということが語られます。

学校へ行くと「何もしない」ができなくなる、というクリストファーロビン。その歳で大学生のモラトリアムみたいなこと言い出すのはちょっと心配。

やるべきことやしがらみに縛られず気ままに自由でいることがきっと「何もしない」なんだろうな。
学校に行く、つまり社会に出れば「何もしない」ではいられないんだとクリストファーロビンはわかっています。

これからもこの森で「何もしない」を続けるプーに「僕のこと、忘れないで」って言うクリストファーロビンにはちょっとウルッとしますね。



もしかしたらかわいいキャラクターとしての「くまのプーさん」しか知らない人にはプーさんの言動はなかなかに衝撃かもしれない。

でもあの世界には悪意がない。ケンカしてもすぐに仲直りするし、疑ったり疑われたりもない。
オウルの長話を正面からけむたがる人はいないし、イーヨーの卑屈な性格も否定されません。

時間がゆっくり流れていく、とても優しい世界です。だから現実ではイラッとするようなことでもなんだか笑えてしまうのかも。

難しいことは考えず、ただぼんやりゆっくりしたいときにはぜひプーさんを。

個人的にはゴーファが穴に落ちて「ア"ア"ーッ」ってなる天丼ギャグが地味に好きです。